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熊樟からの
カテゴリ:モテナイ男のルサンチマンの
非モテブーム?についてのご意見です。



今回のSPAの特集、私も読みました。いつも自分たちでブームを捏造し、それを取材して記事にするという手法をとるSPAにしては、良心的な内容だったのではないかと思います。理由は覚悟さんが書かれていたように、非モテブームという、マスコミ主導のブームが、当事者である非モテ男性からは必ずしも歓迎されていないことをはっきりと報告しているからです。

このマスコミ主導の非モテブームの経済的な成功は、図らずも『電波男』で本田透氏が喝破した、今後、恋愛資本主義はオタクの取り込みに向かうであろうという予想を証明することになったと思います。しかしながらそれは、本田氏の言うように恋愛資本主義の末期症状ではあるかもしれないが、依然として強力な力を持ち続けていることも見せつけています。

さて、SPAの特集の中で特に印象に残ったのが、「いまさら“発見”されたかのような扱いには怒りがこみ上げます」と述べる方のコメントでした。SPAを読まれた方には蛇足的な説明ですが、その男性は、オタクはそれまで存在していたにもかかわらず、ずっと見下され、女性の彼氏候補からは外れていた、たまたま電車男で発見されてキモカワイイとか言われても、今までの自分はなんだったんだと言いたい、と憤っています。

この彼の怒りは、他の非モテ、特にキモオタの男性には容易に理解できるのではないかと思います。それまで散々見下され、あるいは不可視の存在として扱われながら、一時的なブームで興味本位で注目され、それまでの酷い扱いをまるでなかったかのようにされるのは、納得がいかない、フェアではないという感情が起こるのは当然だと思います。

ただ、こうした非モテ男性の反感は、ちょっと極端だ、とある心理学者がコメントしているのが気になりました。恋愛心理学(そんなものがあるとは知らなかった)の専門家を名乗るこの心理学者は、現在の女性はなかなか理想の男性が見つからないので恋愛に疲れているのだから、非モテの男性は下に見られていると反発する必要はないであろうと述べます。そしてこのブームに乗って、新たな出会いが広がる可能性がある、と彼は主張します。

しかし、結局、非モテブームと言うのは、電車男をはじめとする一部のメディアミックスのことだけを指しているのであり、実際の日常生活で非モテが注目されるところまでは行っていないのではないか、と個人的には思います。現実問題として、非モテ男性を自分の恋愛対象として見直そうと言う女性はほとんどいないのではないでしょうか。いやそうではない、実際にいるのだ、という情報をどなたかがお持ちであれば、是非教えていただきたいと思います。

以下は個人的な話になります。先日、ある知り合いの女性が話しているのを聞いたのですが、彼女にはアキバ系のオタクの知り合いがいるそうです。彼女も電車男を読んでおり、そのアキバ系男性に対し、「あなたも早くエルメスさんを見つけなよ」と説教したそうです。それを聞いた時に私は、「なぜあなたがその男と付き合わないのだろうか?」と疑問に思いました(その時、彼女は彼氏と別れたばかりだとも言っていました)。結局、非モテブームとは、自分で非モテ男性と付き合うのではなく、他人が非モテ男性と付き合っているのを見て楽しんでいるだけの現象だと思います(この辺の事情は、色々な方がすでに指摘していますが)。いくら非モテブームが盛んになっても、現実の世界の恋愛そのものは依然として変わっていないような気がします。

いずれにせよ、今回の特集は非モテの問題を考えるに当たり、色々と興味深かったです。ただ、いかにもSPAっぽいと思ったのは、特集の最後に非モテ男とモテ女との対談が載っていたのですが、これがなんとなくヤラセっぽかったと言うことです。

これも読まれている方には蛇足かもしれませんが、ある男性が、たとえば自分と一日中三国志の話をするのと、他の男と遊園地に行くのとどっちがいいのか、と聞くのに対し、ある女性は、遊園地なんて飽きたから三国志の方がいい、と答えます。しかしこれはいかにもヤラセ、あるいはせいぜい、この女性のその場のノリでの答えのように思えます。あくまでも個人的な偏見に過ぎませんが、背景を知らない者に三国志の話をしても5分も持てばいいほうで、そのうちすぐに飽きられてしまうのがオチだと思います。

覚悟さんが提唱するように、目障りな男と 目障りな負け犬をくっつけて黙らせるのはなかなかいい方法だと思います。ただ残念ながら、現状はまだその段階に至っていないような気がします。この非モテブームも、あと数年持てばいいのではないか、そして非モテで経済効果を得ることが出来なくなった恋愛資本主義は、次の獲物を探し始めるのではないか、と個人的に思っています。いずれにせよ、真の非モテの置かれる環境は、何一つ変わらないような気がします。
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